| コンパウンド | 板材 | 射出成型品 | 切削品 | 静電気放電(ESD)障害と対策方法| 静電気拡散性材料 |
| 電気抵抗制御技術| クレファインシリーズの特長| 表面抵抗の均一性| 材料内部の均一性|
特殊炭素材料と独自の分散技術を用いることで、従来コントロールが困難であった表面抵抗値105〜1011Ωの静電気拡散性領域内で安定的にコントロールでき、ご要望範囲に対し、±1乗の範囲に設定することが可能です。表面抵抗値は射出成型条件にほとんど依存しないため、特別な成型技術が不要です。
用途、希望電気抵抗範囲、耐熱性、機械特性、デザイン等の要求特性に応じて適切なグレードを提案致します。
特殊炭素材料と独自の分散技術を用いることで、従来コントロールが困難であった表面抵抗値105〜1011Ωの静電気拡散性領域内で安定的にコントロールでき、ご要望範囲に対し、±1乗の範囲に設定することが可能です。板材表面と内部の抵抗値の差がありません。
グレード | EKH-SS07 | EKH-SS09 | EKH-SS11 | EKH-SS12 |
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ベースポリマー | PEEK | |||
表面抵抗 | 106-8 ohms | 107-9 ohms | 1010-11 ohms | 1010-12 ohms |
用途例 | Hard Disk Drive | Wafer Handling | Burn-in & Test Sockets |
グレード | EIH-SS11 | CDH-SS08 | |
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ベースポリマー | PEI | PPS | |
表面抵抗 | 1010-11 ohms | 107-9 ohms | |
用途例 | Burn-in & Test Sockets | Hard Disk Drive, Wafer Handling |
用途、希望電気抵抗範囲、耐熱性、機械特性、デザイン等の要求特性に応じて適切なグレードを提案致します。
エンプラからスーパーエンプラまで幅広いプラスチックスの精密射出成型品を提供しています。炭素材料開発/製造、コンパウンディング開発/製造、金型作成、射出成型品製造を一元化して行っているため、必要に応じ原料の選定、配合割合の最適化も行い、業界最高水準の精密成型品を提供致します。
お客様の図面に合わせ、様々な部品を製造致します。
お客様の図面に合わせ、様々な部品を製造致します。
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン) PPS(ポリフェニレンサルファイド) PEI(ポリエーテルイミド) その他 |
たとえば、冬場に自動車のドアノブを触ったときや、洋服を脱いだときなどに、静電気によるショックを感じることがありますが、このような現象が目に見えないレベルでも起こっています。そのような微小なレベルの静電気放電でも、電子デバイスは損傷することがあります。
ESDとは? Electro-Static Discharge:静電気放電
静電気放電とは、「直接的接触又は静電誘導により発生する異なった電位をもつ物体間の静電気電荷の移動」と定義されています。
ESD障害の原因は、3つ全ての条件が満たさせたときに起きます。
従って、どれか一つを回避できれば、ESD障害は発生しえないと言えます。
電荷の発生を防ぐことは難しいため、“電荷の蓄積”と“急激な放電” を防ぐことが有効な対策となります。
電荷の蓄積を防ぐには、
“帯電しない材料を使用する”、
“接地をとる”、
“イオナイザーを使用する”等の対策があります。
急激な放電を防ぐには、接地を取った上で、静電気拡散性材料を使用することが必要です。
静電気拡散性材料とは、帯電しにくく、かつ電荷をゆるやかに拡散させる材料でInternational ElectrotechnicalCommission(IEC国際電気標準化会議)61340-5-1,5-2では、表面抵抗値が 1 × 105 ≦Rs < 1 × 1011Ω の間であることと規定されています
一般的には、静電気拡散性材料を使用することで、大部分のESD障害の対策は可能ですが、管理電圧100V以下のESD障害に敏感な電子デバイスに関しては、さらに高度な対策が必要とされています。クレファインでは、ご要望の静電気拡散性の範囲内で、±1乗の範囲に設定することが可能ですので、管理電圧が100V以下のESD障害に敏感な電子デバイスに対してもソリューションを提供することができます。
右図は、炭素材料の充填量とコンパウンドの表面抵抗値の関係を示しています。カーボンブラックやカーボンファーバーを使用した場合、ある充填量を超えると表面抵抗値が急激に低下してしまうため、表面抵抗値を105〜1011Ωの領域で制御すことが困難でした。
当社の特殊炭素材料と独自の分散技術を用いることで、従来コントロールが困難であった静電気拡散性領域内で安定的にコントロールでき、ご要望範囲に対し、±1乗の範囲に設定することが可能です。
また、表面抵抗値は射出成型条件にほとんど依存しないため、特別な成型技術が不要です。
参考:ベースポリマーの種類によっては、挙動に多少の違いがあります。
ESD Association Standard(ESDA)11.11で規定されている同心円のプローブ(直径:64mm)を使用した場合、微小領域の電気抵抗の均一性が把握できません。
ESDA11.13で規定されている2ピンプローブ(電極間距離:mm、電極サイズ:)を使用することで、微小領域の電気抵抗の均一性が把握できます。
直径64mmの電極で測定した場合は同等の表面抵抗値を示す下図の射出成形品を、2ピンプローブで測定した場合、右図のように、従来材料は表面抵抗値が大きく変動していますが、Krefineの表面抵抗値は安定しています。
上図は、射出成形品の厚み方向の表面抵抗値の変化を示しています。カーボンブラックやカーボンファイバーのみで表面抵抗をコントロールした場合、表面抵抗値は射出成形品の厚み方向で大きく変化します。一方、クレファインの場合、表面抵抗値は射出成形品、板材の厚み方向でほとんど変化しません。
参考:評価には130mm×100mm、厚み3mmの平板を使用しました。